異国情緒あふれる赤ちょうちんの灯り、歴史の香り漂う古い街並み、そして躍動する近代都市。台北とその近郊は、短い日程でも濃密に台湾の魅力を感じられる旅先です。グルメもショッピングも自然も文化も、すべてがコンパクトに詰まったこのエリアを、じっくりと巡ってみましょう。伝統と革新が交錯するこの地で、あなただけの台湾ストーリーを紡ぎ出してください。
1日目:日本発 → 台北着 → 士林夜市で夜の魅力を満喫
午前中に成田または羽田空港を出発。約3〜4時間のフライトで、台北の空港(松山空港または桃園国際空港)に到着します。空港到着後は、予約しておいたレンタカーで移動がおすすめ。空港内のレンタカーカウンターで簡単な手続きを済ませれば、すぐに台北の旅が始められます。
車で台北市内まで移動し(松山空港から約20分、桃園空港から約40分)、ホテルにチェックイン。レンタカーがあれば、大きな荷物も楽々運べます。ホテルに到着したら、まずは一息ついて、これから始まる自由気ままなドライブ旅に胸を躍らせながら準備を整えましょう。
夕暮れ時からは、台北で最も有名な夜市の一つ、「士林夜市」へ。ここでは、小籠包、胡椒餅(フージョウビン)、鶏排(から揚げ)、大腸包小腸(ソーセージもち)など、台湾を代表する屋台グルメがずらり。活気あふれる人混みをかき分けながら、熱気と食欲の渦に飛び込むのは、台北ならではの体験。食後のスイーツには、シャリシャリ食感のかき氷「芒果氷」もお忘れなく。

2日目:台北市内観光 — 歴史・文化・芸術を巡る一日
朝はパワースポットとしても人気の「龍山寺」へ。清代から続くこの寺は、地元の人々の信仰の中心地。香の煙が立ち込める中、熱心に祈りを捧げる人々の姿に、台湾の深い信仰心を感じ取れるでしょう。
その後は、「中正紀念堂」へ。荘厳な建築物と広大な公園が広がり、台湾の近代史に触れることができます。衛兵交代式は圧巻のパフォーマンス。時間が合えばぜひ見学を。
午後は世界有数のコレクションを誇る「国立故宮博物院」へ。ここには、中国古代から受け継がれた貴重な文物や美術品が数万点も収蔵されています。特に「翠玉白菜」や「毛公鼎」は必見。中国美術の粋に触れ、歴史のロマンに浸るたっぷりとした時間を。
夜は再び夜市へ。「饒河夜市」は台北で最も古い夜市の一つで、胡椒胡餅(コショウビン)、薬膳排骨(漢方スープのスペアリブ)、蚵仔麺線(オイスターマッシュルーム麺)など、ここでしか味わえないB級グルメの宝庫。にぎやかな喧騒の中、台北の夜を存分に楽しみましょう。

3日目:九份・十分日帰り旅 — 山あいの町と天灯のロマン
台北から車で約1時間。かつて金鉱で栄えた山あいの町「九份」は、今ではノスタルジックな風景が人気の観光スポット。石段が続く路地には赤ちょうちんが灯り、『千と千尋の神隠し』の世界観を思わせます。おすすめは、趣のある老舗茶館で台湾烏龍茶を味わいながら、遠くに広がる海と山の絶景を眺めること。時間がゆっくり流れる、そんな至福のひととき。
午後は「十分」へ移動。ここは線路のすぐ脇に商店が並ぶ、台湾でも有数の天灯飛ばしスポット。カラフルな天灯に願い事を書き、一緒に大空へ放つ体験は、旅の思い出にぴったり。特に夕方から夜にかけては、無数の天灯が幻想的に灯り、それは息をのむ美しさ。鉄橋からの瀑布の眺めも印象的です。

4日目:淡水の古き良き港町と夕日 — 名残惜しみながら帰国の途へ
最終日は、台北からMRTで気軽に行ける港町「淡水」へ。異国情緒あふれる赤レンガの建築や昔ながらの商店街、海辺の遊歩道は、散策に最適。お土産探しにもぴったりです。
昼食は、淡水名物の「阿給」(油揚げの中に春雨を詰めた料理)や「鉄蛋」(黒く煮込んだ固ゆで卵)をぜひ。カップルや家族連れでにぎわう埠頭では、のんびりと海風を感じながら時間を過ごせます。
そして何より淡水のハイライトは、夕暮れ時。台湾八景の一つにも数えられる「淡水の夕日」は、水平線に沈む茜色の光が刻々と変化する様子が神秘的。この美しい夕日に見送られながら、旅の終わりを実感するでしょう。
夜は空港へ移動。名残惜しい気持ちを抱えながら、日本への帰路につきます。

まとめ:コンパクトだからこそ濃厚、台北周遊の旅
台北と九份・十分を中心としたこの4日間は、台湾の多様な魅力を凝縮した、充実度の高い旅。歴史的な寺廟と近代的な建築、山と海の風景、活気ある夜市と静かな茶館の時間——対照的な体験の連続が、心に深く残る旅となるはず。短い日程でも、台湾の「食べる・見る・感じる」を思う存分満喫できる、おすすめのプランです。
