【ユーザー体験談】グアムレンタカー旅。絶景ドライブと、予期せぬトラブルから学んだこと
皆さんは「グアム」と聞いて、どんな旅行を思い浮かべますか?
タモン地区の中心部にあるリゾートホテルに滞在し、目の前のビーチで泳いだり、赤いシャトルバスに乗って免税店やショッピングモールを巡ったり……。もちろん、それもグアムの王道であり、素晴らしい楽しみ方です。
でも、「もっとディープなグアムを知りたい」「自分だけのペースで、まだ見ぬ絶景を探しに行きたい」と思っているなら、迷わずレンタカーでのドライブ旅行をおすすめします。
実は今回の旅、途中でちょっとした車のトラブルに見舞われました。異国の地での車の故障……想像するだけで冷や汗が出ますよね。しかし、結果から言うと、そのトラブルも今となっては旅の素晴らしいスパイスとなり、むしろしっかりとしたサポートがあれば、海外ドライブは怖くないという大きな自信に繋がりました。

なぜ今、グアムでレンタカーなのか?
パンデミックを経て、久しぶりの海外旅行。リハビリも兼ねて、日本から飛行機でわずか3時間半で行ける常夏の島、グアムを選びました。
グアムは日本の免許証さえあれば、到着後30日までは国際免許証なしで運転できるという、日本人にとって非常にハードルが低いドライブ天国です。しかし、事故やトラブル時の身分証明として、私は念のため免許証翻訳文を申請して持参しました。
なぜレンタカーを借りようと思ったのか。それは、前回のグアム旅行での少しした後悔があったからです。前回はツアーでのバスのみで移動したのですが、「あそこの綺麗なビーチで少しだけ降りたい」「ローカルなスーパーで重いお土産を大量に買いたい」「早朝の人のいない恋人岬に行きたい」といった、ちょっとしたワガママを叶えるのが難しかったのです。
「次は絶対に車を借りて、島の隅々まで風を切って走ってやる!」。その決意を胸に、グアム国際空港に降り立ちました。

レンタカーのピックアップと、わずかな不安
空港に到着し、南国特有の湿気を帯びた熱風を肌で感じながら、レンタカーのカウンターへと向かいます。今回私が予約していたのは、世界的にも有名なレンタカー予約サイトであるQEEQのコンパクトカーです。
カウンターでの手続きは英語ですが、スタッフの方も日本人の対応に慣れて、保険の確認や返却時のガソリンのルールの説明など、非常にスムーズに進みました。鍵を受け取り、空港の駐車場に停められている今回の相棒と対面します。割り当てられたのは、白いコンパクトカー。
ただ、正直なところを言うと、車体にはいくつか細かいかすり傷があり、内装も少し年季が入っているな、という印象を受けました。
「まあ、南国の島を走り回るレンタカーだし、これくらいは普通なのかな?」。そう思いつつも、後で「あなたが付けた傷だ」と言われないように、乗車前にスマートフォンのカメラで車の周り、そして気になった小さな傷をすべて動画と写真で撮影しておきました。
左ハンドル、右側通行。日本とは全く逆の環境に最初は少し緊張しましたが、グアムの道は広く、直線が多いので、10分も走ればすぐに慣れてしまいます。ワイパーとウィンカーを間違えて動かしてしまう「海外ドライブあるある」を何度か経験しながら、ホテルへと向かいました。

自由気ままな絶景ドライブ
グアムでのドライブの醍醐味は、なんといっても海沿いのルートです。特にタモンから南へ向かうルートは、手付かずの自然と、エメラルドグリーンの海が広がる絶好のドライブコース。
初日は、窓を全開にしてカーオーディオからお気に入りの音楽を流し、南部一周ドライブに出かけました。
まず立ち寄ったのは「アサン・ビーチ」。広大な芝生と真っ青な海、そして歴史的な背景を持つこのビーチは、観光客も少なく、波の音だけが響く静かな場所です。車を停めて、ただぼーっと海を眺める贅沢な時間を過ごしました。
続いて「エメラルドバレー」へ。ここは海と川が交わる水路で、その名の通り水が信じられないほど深いエメラルドグリーンに輝いています。浅瀬にはカラフルな熱帯魚やウミヘビの姿も。ここは駐車場という駐車場がないため、路肩の安全な場所に車をサッと停めて見学できるのも、レンタカーならではのフットワークの軽さです。
さらに南下し、起伏に富んだ山道を抜けて「セッティ湾展望台」へ。ここからは、ジャングルのような深い緑と、フィリピン海の雄大なパノラマが見渡せます。坂道が多くなってきましたが、私たちのコンパクトカーは元気にエンジンを唸らせて登っていきました。
「ウマタック村」ののどかな風景を抜け、「メリッソ桟橋」で地元の子どもたちが海に飛び込んで遊んでいるのを笑顔で見守りながら、ドライブは最高潮に達していました。
「やっぱりレンタカーにして大正解だった!」。この時までは、そう確信して疑いませんでした。

予期せぬトラブル発生!異国の地でのパニック
事件が起きたのは、ドライブも中盤に差し掛かった頃です。
少し小高い丘の上にある絶景ポイントで写真を撮ろうと、少し傾斜のある駐車場に車を停めた時のこと。ギアをパーキングに入れ、いつものようにサイドブレーキを強く引き上げました。
「スカッ……」手応えがありません。
いつもなら「カチカチカチッ」と抵抗を感じながら固定されるはずの手ブレーキが、まるで何かのワイヤーが切れてしまったかのように、根元からスカスカになってしまったのです。
「えっ……?嘘でしょ?」
もう一度、下ろしては引き上げてみますが、完全に手応えがありません。フットブレーキから足を離すと、傾斜のせいで車が「ズリッ」と少し後ろに下がってしまいます。
パニックです。
ここは日本ではありません。グアムの南部の、少し人里離れた丘の上。
「手ブレーキが効かない状態で、この坂道のある南部を走り続けるのは危険すぎる。もしこのまま走行して、ブレーキシステム全体に異常が出たら事故になるかもしれない……」。血の気が引くのを感じました。
言葉の壁もある中、自分で直接現地のレンタカー営業所に電話をして、英語で車の症状と現在地を正確に伝える自信はありません。
どうしよう、と焦りながらスマートフォンを取り出し、私が今回レンタカーを予約したサイトのカスタマーサポート(LINE)の画面を開きました。

レッカー車の手配と、あっけない解決
私はすぐにLINEでカスタマーサポートにメッセージを送りました。
「すみません、今グアムでドライブ中なのですが、サイドブレーキが故障してしまい、全く効かなくなってしまいました。傾斜地で車を動かすのが怖いです。」
すると、ものの数分でサポートから日本語で返信が来ました。
「ご不便をおかけして申し訳ございません。すぐにお客様の安全を確保いたします。現在地と車両のナンバーを教えていただけますか?」
現在地と状況を伝えると、サポート担当者はすぐに現地のハーツ(Hertz)と連携を取ってくれました。そして、「ハーツから現在地に向けて、レッカー車(牽引車)を手配いたしました。到着まで安全な場所でお待ちください」との連絡が。
LINEという使い慣れたツールで、しかも日本語で素早く対応してもらえたことで、パニックになっていた心が一気に落ち着いていくのを感じました。
待つこと約30分。
グアムの強い日差しの中、遠くから黄色い回転灯を回しながら、大きなレッカー車が丘を登ってくるのが見えました。降りてきたのは、日に焼けた屈強なローカルの作業員のおじさんです。
「Hey! ブレーキがダメになったって?」と英語で陽気に笑いながら、彼は運転席に乗り込み、手ブレーキのレバー周りや足元をゴソゴソと調べ始めました。
そして約5分後。
「カチカチカチッ!」という、あのお馴染みの音が車内に響きました。
「オーケー、直ったよ! ちょっとワイヤーの接続が外れて引っかかってただけみたいだ。もう問題ない、このまま乗っていけるぜ!」
彼の手品のような素早い作業により、手ブレーキは完全に復活。
結果として、車をレッカーで牽引してもらう必要はなくなり、私たちはそのままこの車に乗り続けることができる状態になりました。
「Thank you so much!」と何度もお礼を言い、レッカー車を見送りました。
車が直って本当に良かった。これでドライブが続けられる。
しかし、ホッとしたのも束の間、私の頭の中に別の「不安」が急浮上してきたのです。

費用への不安と、カスタマーサポートの「神対応」
私の頭を悩ませたのは、「レッカー車の出動費用」のことです。
海外でのレッカー移動やロードサービスは、高額な請求になることが多いと聞いたことがあります。今回は実際に牽引はしなかったものの、はるばる南部まで出動してもらったことには変わりありません。
再びLINEを開き、カスタマーサポートに車がその場で直り、レッカーは使わなかったことを報告するとともに、正直な気持ちをぶつけました。
「車は直ってホッとしましたが、費用のことが非常に心配です。借りた時から車両の状態があまり良くなく、今回の故障は最初から車両に問題があったためだと考えています。私の過失ではないので、レッカー車の出動費用などの追加料金は支払いたくないのですが……」
異国の地で、あと数日間の旅程を残した状態での金銭トラブルの不安。せっかくの旅行気分も台無しになりかけていました。
メッセージを送信してから数分後。
私のスマートフォンが「ピコン」と鳴りました。
ドキドキしながら画面を見ると、カスタマーサポートからの返信でした。そこには、私の不安を完全に払拭してくれる、温かく言葉が並んでいました。
「車両がその場で直り、お怪我もなく無事であったとのことで、私どもも安心いたしました。費用の件についてご不安なお気持ち、よく分かります。現時点で費用が発生していないのであれば、そのまま通常通りお車をご利用いただいて問題ございません。もし、車両を返却した後に費用の請求が発生した場合は、再度私たちにご連絡ください。しっかりと返金や対応をサポートさせていただきますので、どうかご安心ください。」
この文面を見た瞬間、張り詰めていた緊張の糸がふっと解け、思わず車の中で「よかったぁ……」と深い溜息をついてしまいました。
「もし理不尽な請求が来ても、私たちが間に入ってサポートするから、今はただ目の前の旅行を楽しんでください」というメッセージ。
これほど心強い言葉があるでしょうか。旅行中のトラブルにおいて一番辛いのは、「誰にも相談できず、一人で不安を抱え込むこと」です。しかし、言語の壁を越えて、私の主張をしっかりと受け止め、万が一の際のセーフティネットを約束してくれたサポートの存在は、まさに「神対応」と言えるものでした。
このメッセージのおかげで、私の心から「費用の不安」という暗雲が完全に消え去り、再びグアムの青空のように晴れやかな気持ちでエンジンをかけることができたのです。

不安を乗り越えて。より深く楽しむローカルなグアム
レンタカーだから出会えた、グアムの素顔。トラブルの一部始終について熱く語ってしまいましたが、もちろん「最高に楽しかった思い出」も数え切れないほどあります。
シャトルバスの時刻表やルートに縛られず、気になった小道に入ってみたり、ローカルな食堂にふらっと立ち寄ったりできるのがドライブ旅行の最大の魅力。ここでは、レンタカーがあったからこそ120%満喫できた、私のお気に入りスポットをいくつかご紹介します。
① 誰もいない朝の「恋人岬(Two Lovers Point)」を独占
グアム観光の定番中の定番ですが、日中はツアーバスが次々と到着し、展望台は人で溢れかえります。しかし、レンタカーがある私たちは、オープン直後の朝8時台に訪問しました。
結果は……大正解!観光客の姿はまばらで、フィリピン海を一望できるあの断崖絶壁の絶景を、ほぼ貸し切り状態で堪能できました。朝の澄んだ空気と、どこまでも青い海。誰の話し声にも邪魔されない静寂な時間は、早起きして車を走らせた者だけの特権です。

② 南部のオアシス「イナラハン天然プール」でロコ気分
タモン地区から車で約45分。島の南部にある「イナラハン天然プール」は、サンゴ礁が波をせき止めてできた自然のプールです。
ここはシャトルバスではアクセスが難しいため、訪れるのはレンタカー派の観光客か地元の人がほとんど。波が穏やかで透明度も抜群なので、水着に着替えてローカルの子供たちに混ざって少しだけ水遊びを楽しみました。プールサイドのベンチに座り、ただ海風を感じるだけでも最高にリフレッシュできます。

③ 絶品バーガーにかぶりつく!「ジェフズ・パイレーツ・コーブ」
南部をドライブするなら、ランチの定番はここ。海沿いにポツンと現れる海賊がテーマのダイナー「Jeff’s Pirates Cove(ジェフズ・パイレーツ・コーブ)」です。
名物のハーフパウンド(約220g)のジューシーなチーズバーガーを、テラス席で海を眺めながら頬張る幸福感たるや!アメリカンサイズの食事でお腹がいっぱいになっても、すぐに車に乗って涼みながら次の目的地へ向かえるのが本当にありがたかったです。

④ 「ペイレス・スーパーマーケット」で時間を気にせず爆買い
海外旅行の楽しみの一つが、現地のスーパーマーケット巡りですよね。今回はローカル御用達のPay-Less Supermarketsへ。
カラフルなシリアル、アメリカンな巨大ボトルの洗剤、日本では見かけないフレーバーのスパムやクラフトビール……。時間を気にせず隅から隅まで吟味し、重たい瓶モノやかさばるスナック菓子をカートいっぱいに「爆買い」しました。重い荷物を提げてバス停まで歩く必要はなく、スーパーの目の前に停めた車のトランクにドサッと放り込むだけ。
夜のタモン地区を、窓を開けて走ります。昼間の熱気は嘘のように引き、海から吹く夜風が心地よく頬を撫でていきます。ネオンの明かりと、どこからか聞こえてくる南国特有の音楽。「この車と一緒に、グアムの裏側まで知り尽くせたね」と、同乗者と笑い合いました。

レンタカー返却と最終精算
楽しかった時間はあっという間に過ぎ、ついに帰国の日。空港のレンタカー返却レーンに車を停めると、係員がバインダーを持って近づいてきます。走行距離の確認、ガソリンが満タンになっているかのチェック、そして車体の傷の確認……。
私はドキドキしながら、係員の様子を見守っていました。
「手ブレーキの件で、やっぱりシステムに何か入力されていて、ここで追加料金を請求されるんじゃないか……?」
係員は車を一周ぐるりと見渡し、車内のメーターを確認すると、手元の端末をピピッと操作して、レシートのような紙を印刷しました。
「All good! Thank you!」。渡されたレシートには、事前決済した基本料金以外の「追加請求(Additional Charges)」の欄は見事に「$0.00」と印字されていました。レッカー車の出動費用も、もちろん請求されていませんでした。
「本当に追加費用、かからなかった……!」
あの時、LINEでサポート担当者が言ってくれた「現時点で費用が発生していなければ、そのままご利用ください」という言葉は本当でした。そして、もし請求されてもサポートするという言葉が、この数日間、どれほど私の精神的な支えになっていたかを改めて実感しました。

おわりに
5日間にわたるグアムでのレンタカー旅。海外でレンタカーを借りるということは、自由を手に入れると同時に、自己責任を背負うことでもあります。今回私が学んだ一番の教訓は、トラブルが起きない完璧な旅を求めるのではなく、トラブルが起きた時に確実に頼れる窓口を確保しておくことの重要性です。
レンタカーでしか見られないグアムの景色が、そこには確かに存在します。窓から吹き込む潮風の匂い、カーオーディオから流れる現地の陽気な音楽、そしてトラブルを乗り越えて辿り着いた絶景の数々。
皆さんも、次にグアムを訪れる際は、ぜひハンドルを握ってみてください。
事前にきちんと準備して出発すれば、どんなハプニングも、きっと最高の旅のスパイスに変わるはずです。
